やむろぐ

すきなものちまちまつまみぐい

TWENTIETH TRIANGLE TOUR 戸惑いの惑星

公演日・会場:2017年2月7日(火)夜公演@東京グローブ座

「コンサート」でもなく「ミュージカル」でもない、「トニセンの楽曲を用いた舞台作品」…
ということで、今までにないものが見ることができると楽しみだった今回。
ネタばれ防止で挑んだ当日は、初めての夜公演。そして大量の「記録用」のカメラが入っているという日でした。
(井ノ原さんがセリフをやや噛みしていたところがあったのはここだけの話…笑)

ここでは記憶に強く残ったところを幾つかご紹介。
(※ストーリーはこちらにてざっくりまとめています)

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・トニセンだから出来た「1人複数役」のこと

今回の作品は音楽担当の方々(3人)と作業服姿の"黒子さん"(5~6人)を除くと物語に関わるのはトニセンだけで、
3人しかいない中で、場面に合わせてそれぞれが色々な役柄を演じ分けていました。
最初は「本人役」から始まり、メインキャラである三池(坂本さん)、由利(長野さん)、長谷川(井ノ原さん)、
長谷川が「綴った」小説の登場人物など… その中から個人的にツボだった「役柄」をいくつかご紹介。

「大学の教授(由利の上司)」
これは井ノ原さんの役。 白髪・長めの白ひげをまとった人物で、
その”ひげ”で顔が見づらくなっていたのとしゃべり方も老年の男性っぽくしていたので、
最初出てきたときは「誰?」と(笑)。声をよくよく聴けば井ノ原さんでした(笑)

「優柔不断なマダム」
長谷川の仕事である「手紙代行業」の客としてやってくる女性…これは長野さんの役でした。
登場した瞬間「こういう人いるよね?」といった空気がグローブ座の中を包むほどの衝撃が走りました…
立ち姿はまさしくマダム…といった感じでしたが、座ると、がっちりとした「兄さん」っぽさがちらりと(笑)

「チンピラ風の男」
マダムの後にやってきた客が坂本さんの役がこれ。登場の瞬間客席が笑いに包まれるほどのハイクオリティーでして(笑)
どう見ても「ヤバめ」な風体、しゃべり方もベタ。この役で1つ作品ができるんじゃないの?(笑)といった感じで、
さすが「マサさん」…と思っていたら、もう一つ、とんでもない役柄がこの後にやってくるわけで…

「由利の母親」
ラストに近いあるシーンにて「由利の妹が亡くなっていた」ということが判明し、涙をさそう場面のはずなのに、
由利が取り出した「母からの手紙」とともに登場し場内を(再び)ざわつかせた坂本さんの「はまり役」その2(笑)
手紙の内容も、「スプーンを曲げたのは"超能力"ではなくテーブルを使って曲げただけ」という衝撃的なもので…

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・トニセン楽曲のこと

数ある楽曲の中から、今回披露されたのは7曲。 原曲を生かしたものもあれば、大幅なアレンジを加えた楽曲もあり、
ストーリーの世界観にぴったりとはまっていました。 ここからは楽曲をご紹介。

・Change Your Destiny
今回披露された楽曲の中で唯一の「新曲」で、物語のカギになる曲。
物語の冒頭での管楽器入り(トニセンが演奏!)Ver.とエンディングでのピアノVer.の2つが披露され、
冒頭で演奏されたときは「どこかで聞いたことのある曲」というフレーズが出てくるのですが、
終盤あたりで、作曲者が「由利の妹」であり、「三池への恋心」を入れたものだということが判明することに…。

不惑
今回の題名にも使われているこの曲。三池、由利、長谷川の3人がどんな人物なのか、
そして、それぞれの境遇を現すようなストーリー展開にそって歌が入ってきました。
それでもって、3人のハーモニーがとても綺麗!

・オレじゃなきゃ、キミじゃなきゃ
元々はポップな曲調で、ミュージックビデオのせいか(笑)コメディーの香りがする曲なのですが、
今回は打って変わって「自分の将来に不安を感じる」ようなしっとりとした曲調にアレンジされていました。

・Sing!
"ある女性"に一目ぼれしたという三池が、その時の気持ちを表すのに急に歌いだす…というミュージカル風のアレンジ。
もちろん、歌いだしは坂本さん、動きもミュージカル調、このシーンだけ別の作品じゃないの…といった感じに(笑)

・ちぎれた翼
今回の一番の見所と言っても過言ではない曲。 歌の世界観とシーンがピッタリと合っていたのも印象的でした。
作品の冒頭で"井ノ原"が語った"空とも海とも言えない幻想的な風景"が劇場に広がり、
(グローブ座の天井にライト越しの水の揺らめきが写っていました)
三池と由利のいる部屋に長谷川が飛び込んでくるというシーンで、
部屋の中を泳ぐように漂う長谷川と、捕まえようとする三池・由利のすれ違う動きがとてもきれいでした。

・days -tears of the world-
"Sing!"のシーンで"三池"に届いた手紙の真相がここで明らかになるのですが、
加えて、由利の妹からの"出せなかった手紙"を受け取り、"もう会えない人"に対する惜別の思いが切なく響きました。

Dahlia
本筋とは全く関係のない(笑)、"夢から覚めるため"のゴキゲンナンバー。この曲でも管楽器が大活躍していました。

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・エンディング後のハナシ

ここからはカーテンコールでのハナシ。

"プレゾン"並みの公演スケジュール、トニセンとグローブ座(と新大久保)の関わりなどなどの話の後、
この公演(記者会見でもネタになっていた"稽古中"も含めて)に入って初めて3人で飲み会を行ったのだそう。

その"飲み会"にやってきたのがまさかのTOKIOの松岡さん!
井ノ原さんに「ご両親元気?」というのを延々確認したり、トニセンにいい感じでからんでいたらしく、
「輩感が半端なかったの・・・なんかごめんね?」と井ノ原さんに言わせしめるほどだったのそう(笑)

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冒頭からトニセン3人の役柄や物語がどんどん転換していって、なんだか夢を見ているような感じの作品でした。
どこからが作られた”ハナシ”でどこからが”現実”なのかずっとふわふわしながら見ていたのでなかなか新鮮な体験でした…

(※この文章は観劇後、記憶や雑誌の写真等で思い出しながら作成したもののため、一部間違いがある可能性があります)